「アスベスト」という言葉はよく耳にしたことがある人が多いでしょう。
しかし、アスベストの何が問題で事前調査や分析が必須となっているかをよく知らないという人もいるのではないでしょうか。
アスベストは、戦後建築資材としてさまざまな用途で使用されていた天然鉱物です。
しかし1970年代に入り有害物質を含むことが判明して、法律によって使用が全面的に禁止となりました。
そして、長い年月を経て健康被害を発症させるアスベストへの対策は、日本でも年々強化されています。
この記事では「アスベスト分析」について、事前調査のポイントや調査にかかる費用を解説していきます。
アスベストに関する正しい知識を身に付けて、義務を怠ることのないよう、学んでいきましょう。
- アスベストとは、発がん性物質を含む建築資材として使用されていた天然鉱物
- 石綿障害予防規則によって全面的に使用が禁止されている
- アスベスト分析によって、アスベストの含有有無や含有率を調査する
- アスベスト事前分析調査はほぼすべての工事において必須
- 一定規模以上の工事は事前調査結果の報告が義務付けられている
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アスベスト分析とは?定性分析と定量分析の違いも解説
ここでは「アスベスト分析とは」について、定性分析と定量分析の違いを含めて解説していきます。
アスベスト分析とは
アスベスト分析とは、建築物または工作物の解体や回収の作業前に、アスベストの含有の有無を調査することをいいます。
アスベストの事前調査は石綿障害予防規則によって義務付けられており、調査をおこなった場合は罰則を受けなければなりません。
第三条 事業者は、建築物、工作物又は船舶(鋼製の船舶に限る。以下同じ。)の解体又
は改修(封じ込め又は囲い込みを含む。)の作業(以下「解体等の作業」という。)を行
うときは、石綿による労働者の健康障害を防止するため、あらかじめ、当該建築物、
工作物又は船舶(それぞれ解体等の作業に係る部分に限る。以下「解体等対象建築物
等」という。)について、石綿等の使用の有無を調査しなければならない。
また、アスベストが含まれていると判明した場合は、さらに詳しい分析によってアスベストの種類や含有率を調査する必要があります。
これは、長い年月を経てガンなどを発症させる有害なアスベストによる健康被害を防ぐための対策です。
定性分析とは
定性分析とは、検体にアスベストの含有の有無を調査する分析方法です。
おもにJIS A 1481-1やJIS A 1481-2の分析方法で調査されます。
定性分析でアスベストが含まれていることが判明すると、定量分析によってアスベストの含有率を調査するのが一般的な流れです。
アスベストの有無のみを調べる方法であるため、事前調査としては比較的短時間かつ安価に依頼できる特徴があります。
定量分析とは
定量分析とは、アスベストの含有率を調査する分析方法です。
おもにJIS A 1481-3やJIS A 1481-4、JIS A 1481-5の分析方法で調査されます。
定性分析でアスベストが含まれていることが判明した検体が、定量分析によって含有率を調査されるのが一般的です。
定性分析よりも複雑な作業によって調査される方法であるため、調査に時間がかかるかつ費用も高めに設定されています。
アスベストとは?わかりやすく簡単に解説
アスベストとは、石綿(いしわた、せきめん)とも呼ばれる、戦後高度経済成長期に建築資材など幅広い用途で使用されていた天然鉱物です。
しかし、1970年代に発がん性物質をはじめとした有害物質が含まれていることが判明しました。
そのため、現在では日本だけではなく世界中で使用が禁止されています。
アスベストは繊維が極めて細かく、空気に交じったアスベストを吸い込んでしまうと知らないうちに体内に溜め込んでしまうのです。
日本でも2006年の石綿障害予防規則(石綿則)によって、全面的に使用が禁止されました。
そして、ほぼすべての工事においてアスベスト事前分析調査が必要となり、2020年には改正された石綿則によって事前分析調査結果の報告が義務化されています。
アスベストは体内に入り込んでから長い年月を経てガンなどを発症させるため、健康被害を生まないためにも強化された対策が必要とされているのです。
アスベスト分析・事前調査が必要な理由
アスベストは戦後に建築資材をはじめ様々な用途で使用されていた天然鉱物です。
1970年代、発がん性物質を含み健康被害を発症させることが判明したため、一部の使用が世界的に禁止されました。
日本では2006年に石綿障害予防規則によって、改修・解体問わずすべての工事において全面使用禁止となっています。
また、2020年には石綿障害予防規則が改正され、すべての工事においてアスベストの事前調査が義務付けられました。
第三条 事業者は、建築物、工作物又は船舶(鋼製の船舶に限る。以下同じ。)の解体又
は改修(封じ込め又は囲い込みを含む。)の作業(以下「解体等の作業」という。)を行
うときは、石綿による労働者の健康障害を防止するため、あらかじめ、当該建築物、
工作物又は船舶(それぞれ解体等の作業に係る部分に限る。以下「解体等対象建築物
等」という。)について、石綿等の使用の有無を調査しなければならない。
つまり、アスベスト分析・事前調査は、わたしたちの健康を守るために必要なのです。
アスベスト分析方法5種類の違い
ここではアスベスト分析5種類の違いについて解説していきます。
JIS A 1481-1(定性分析)
JIS A 1481-1は建材内のアスベストの有無を調べる定性分析方法です。
実体顕微鏡と偏光顕微鏡を使用して、アスベストが含まれているかを判定します。
天然鉱物なども含めすべての建材のアスベスト含有の有無を調査することが可能です。
また、塗装などで重層化した建材でも層別で調査できるという特徴を持ちます。
定性分析のなかでは、平均的にもっとも安価かつ調査時間が短いため、多くのアスベスト分析会社で採用されている方法です。
JIS A 1481-2(定性分析)
JIS A 1481-2は建材内のアスベストの有無を調べる定性分析方法です。
X線回折装置また位相差・分散顕微鏡を使用して、アスベストが含まれているかを判定します。
おもな建材にはすべて対応していますが、天然鉱物またそれを含んだ製品には対応していません。
また、検体を砕いて調査する分析方法であるため、層別分析できない点もデメリットとなります。
JIS A 1481-3(定量分析)
JIS A 1481-3は建材内のアスベストの含有率を調べる定量分析方法です。
X線回折装置による分析でわかるアスベストの重さと、検体自体の重さから含有率を算出します。
JIS A 1481-3では基底標準吸収補正法という方法で算出結果を補正するため、高い正確性を持った調査が可能です。
おもな建材には対応していますが、天然鉱物またはそれを含んだ製品の調査には対応していません。
おおまかな分析方法はJIS A 1481-5と変わりませんが、JIS A 1481-3は日本国内で制定された方法です。
JIS A 1481-4(定量分析)
JIS A 1481-4は建材内のアスベストの含有率を調べる定量分析方法です。
偏光顕微鏡や電子顕微鏡を使用して、アスベストの含有率を算出します。
X線ではなく実際に人間の目視でアスベストの判定をおこなうため、天然鉱物やそれを含んだ製品の調査も可能です。
しかし、人間の手でおこわなれる・工程が多いことから、分析結果にばらつきが生じる・調査に時間がかかるなどのデメリットもあります。
JIS A 1481-5(定量分析)
JIS A 1481-5は建材内のアスベストの含有率を調べる定量分析方法です。
X線回折装置による分析でわかるアスベストの重さと、検体自体の重さから含有率を算出します。
JIS A 1481-5では基底標準吸収補正法という方法で算出結果を補正するため、高い正確性を持った調査が可能です。
おもな建材には対応していますが、天然鉱物またはそれを含んだ製品の調査には対応していません。
おおまかな分析方法はJIS A 1481-3と変わりませんが、JIS A 1481-5は国際規格であるISOの翻訳規格となっています。
アスベスト分析・事前調査の流れ
ここではアスベスト分析・事前調査の流れを解説していきます。
工事の際に作成された図面が必要になるため、依頼の前に準備しておきましょう。
設計図面と見比べて相違がないか実際に目で見て確認します。
分析調査のみの場合、検体を直接分析会社へ郵送して調査してもらうことも多いようです。
含まれるアスベストの種類や含有率などをさまざまな方法で分析します。
細かく調査する場合は、1ヵ月程度かかることもあるようです。
そして、調査報告書を使って依頼者へと分析結果の報告をおこないます。
アスベスト分析・事前調査にかかる費用相場
ここではアスベスト分析・事前調査にかかる平均的な費用を解説していきます。
図面調査 現地調査 |
3万円~10万円 |
---|---|
検体採取 分析調査 |
3万円~4万円/1検体あたり |
手数料 | 5千円~1万円 |
アスベスト事前分析調査にかかる費用相場は、1検体当たり15万円程度です。
しかし、アスベストの含有の有無だけの調査とアスベストの詳細についての調査をする場合では大きく費用は異なります。
そのため、実際の費用については依頼前に見積もりを出してもらうのがおすすめです。
アスベスト分析会社の選び方5つのポイント
ここではアスベスト分析会社の選び方の5つのポイントについて解説していきます。
①取扱分析方法の種類
分析会社を選ぶ際には取扱分析方法の種類を確認しましょう。
アスベストの分析には、調査内容によって5種類の方法があります。
分析方法によって調査できる内容や、調査にかかる費用・時間が異なります。
また、分析会社によっては取り扱っていない分析方法があるため、事前に確認しておかなくてはなりません。
取り扱っている分析方法については、各分析会社の公式サイトをチェックしましょう。
②専門家や有資格者の有無
アスベストに関する専門家や有資格者が在籍しているかの確認も、アスベスト分析会社選びに失敗しない重要なポイントです。
アスベストに関する事前分析調査は有資格者しかおこなうことができません。
また、知識が豊富な調査員に調査してもらうことで信頼性の高い調査結果を得ることもできます。
こういったことから、資格者がしっかり在籍しているかの確認をすることは大事なのです。
③的確な調査報告・調査実績
調査報告の的確さや調査実績が十分か、しっかり確認しておきましょう。
アスベストの事前分析調査は、一定規模を超える工事の場合、報告も義務付けられています。
調査報告書は、専門用語も使用した詳細内容を記載しなければなりません。
そのため、専門家でないと調査報告書の一からの作成は非常に難しいと感じるでしょう。
こういったことから、的確でわかりやすい調査報告書を作成できる調査実績がある会社を選ぶのがおすすめです。
④調査にかかる費用
アスベスト分析会社を選ぶ際には、調査にかかる費用も確認しましょう。
分析調査にかかる費用は1検体あたり15万円程度が平均的な金額ですが、会社が自由に設定できるため一定ではありません。
そのため、きちんと確認せずに依頼してしまうと、とんでもない金額を請求されるなんてことも。
手数料など調査以外にかかる費用などに不安がある人は、事前に見積もりを出してもらうのがおすすめです。
⑤調査にかかる時間
調査にかかる時間も、アスベスト事前分析会社を選ぶ際には重要なポイントです。
アスベスト事前調査にかかる時間は、調査内容や調査方法によって大きく変動します。
そのため、解体や新築の工事日程が決まっている場合は、その期日に間に合うように事前分析調査を完了しなければなりません。
万が一日程に余裕がなく調査時間が心配な場合は、調査期日とおりの日程で調査をおこなってくれる分析会社を選びましょう。
アスベスト除去のおすすめ業者一覧
Asnet株式会社
- 各建材レベルに応じた除去工事に対する見積もりが最短1日で可能
- 大規模な施工でもスピーディーに対応
- 自社作業なので優しい価格設定
Asnet株式会社は資格保有者が社内に20名規模で在籍しており、調査をスムーズに進めることができます。
アスベストの調査から除去まで一貫して対応してくれるだけでなく、スピード感のある対応をしてくれます。
また、価格も自社で全て作業をするため適正価格で依頼可能な点も魅力の一つです。
会社名 | Asnet株式会社 |
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対応地域 | 関東 |
本社 | 〒171-0022 東京都豊島区南池袋一丁目16番15号 ダイヤゲート池袋 5F |
見積もり | 無料 |
公式サイト |
出典:Asnet株式会社
株式会社マルホウ
- 独自のウォータークリーン工法
- 全国に対応
- 官公庁も手掛ける確かな実績
株式会社マルホウでは、人や環境への安全性、作業効率にも優れている独自開発した「ウォータークリーン法」によって工事をおこないます。
実際にウォータークリーン法は、官公庁や小中高校でおこなわれている工事です。
ウォータークリーン工法は、剥離剤では除去しきれなかった下地調整材まで確実に除去して粉塵の飛散はゼロとなります。
そのため、防護服も不要で身動きもとりやすいので、スムーズな作業をすることができます。
隔離養生も不要でレベル3まで対応しているので、最もおすすめな業者です。
ウォータークリーン工法は、全国各地にある拠点で対応しているので、沖縄から北海道まで依頼することができます。
会社名 | 株式会社マルホウ |
---|---|
対応地域 | 全国 |
本社 | 愛知県東郷町春木下鏡田446-1098 |
見積もり | 無料 |
公式サイト |
出典:株式会社マルホウ
株式会社ホームプラン
- 10年以上一連の作業を一貫としておこなっている
- 全国に対応
- 豊富な実績
ホームプランでは、アスベスト除去作業を調査から書類作成、工事の一連の流れを10年以上おこなっている業者です。
これまでは、学校や施設など豊富な実績をもつので安心して依頼できます。
また、工事にかかる費用の目安も公式サイトに記載があるので、費用についても安心のおける業者です。
会社名 | 株式会社ホームプラン |
---|---|
対応地域 | 全国 |
本社 | 大阪府八尾市黒谷6丁目202 |
見積もり | ※要問合せ |
公式サイト |
出典:株式会社ホームプラン
NECファシリティーズ株式会社
- 1966年に創立
- 豊富な実績
- 幅広い業務内容
NECファシリティーズ株式会社は、調査から工事まで一貫して対応しています。
これまでに数千にわたる調査、数百にわたる工事に携わってきているため、実績としても豊富な業者です。
1966年に創立された会社で、主に建設や施設管理などを担い、多くの子会社を持つ大手NECグループの事業会社なので、安心して依頼することができます。
会社名 | NECファシリティーズ株式会社 |
---|---|
対応地域 | ※要問合せ |
本社 | 東京都港区芝二丁目22番12号 |
見積もり | ※要問合せ |
公式サイト |
出典:NECファシリティーズ株式会社
株式会社ブレスト
- 25年の実績
- アメリカの厳しい基準をクリア
- 一貫して対応
株式会社ブレストは、アスベストに関することを業務内容とし1994年に設立してから25年以上の実績がある業者です。
これまで1,000件のプロジェクトと35万㎡の施行実績をもつので、安心して依頼することができます。
さらに、アメリカ大手のアスベスト管理・環境コンサルタント会社「ATCアソシエイツ社」で2年間の実践的技術指導を受けています。
そのため、アスベスト処理の先進国でもあるアメリカの厳しい基準をクリアできるほどのレベルを確保しているため、技術力においても安心です。
会社名 | 株式会社ブレスト |
---|---|
対応地域 | ※要問合せ |
本社 | 東京都新宿区天神町14番地 |
見積もり | ※要問合せ |
公式サイト |
出典:株式会社ブレスト
株式会社エコ・テック
- 全国各地で豊富な実績
- 大規模工事の実績もあり
- 適正価格
エコテックは、全国に3,500件を超える実績をもち、官公庁案件や学校、幼稚園、大規模な建物などと豊富な実績をもつ業者です。
調査から工事まで対応しており、適正なプランと価格によって安心して依頼することができます。
また、エコテックは相談は無料で気軽に問い合わせることができるので、調査だけでもと考えている方にもおすすめです。
会社名 | 株式会社エコ・テック |
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対応地域 | 全国 これまでは、東京・名古屋・大阪・岡山・福岡など |
本社 | 東京都港区港南2-16-4品川グランドセントラルタワー8F |
見積もり | 相談無料 |
公式サイト |
出典:株式会社エコ・テック
アスベスト分析・事前調査の5つの注意事項
ここではアスベスト分析・事前調査の5つの注意事項を解説していきます。
①事前調査報告は義務
一定規模以上の工事は、事前調査だけでなく調査結果の報告が義務となります。
事前調査報告が義務となっている工事は以下のとおりです。
- 解体作業対象の床面積が80㎡以上の解体工事
- 請負金額が税込100万円以上の改修工事
- 請負金額が税込100万円以上の工作物の解体・改修工事
- 20トン以上の銅製船舶の解体または改修工事
アスベストの事前調査報告は、電子システムからも可能なので、環境省のサイトをチェックしてみてください。
②事前調査には資格が必要
アスベストの事前分析調査には専門の資格が必要です。
事前調査をするために必要な資格は以下のようなものがあります。
- 一般建築物石綿含有建材調査者
- 一戸建て等石綿含有建材調査者
- 特定建築物石綿含有建材調査者
- 日本アスベスト調査診断協会登録者
③事前調査をしないと罰則対象
アスベストの事前分析調査をしないと、罰則対象となります。
事前調査が必要なケースにもかかわらず調査を怠ってしまうと、3か月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金を支払わなければなりません。
④事前調査報告書は3年間保管しなければならない
アスベストの事前調査報告書は3年間保管しなければなりません。
調査が完了しても、報告や報告書の保管が必要になるため、注意しましょう。
⑤事前調査には補助金や助成金が出る
アスベストの事前分析調査には、補助金や助成金の利用が可能です。
事前調査費用は工事業者が負担しますが、地域によっては地方公共団体が補助金を出していることがあります。
補助金や助成金については、地域の地方公共団体へ問い合わせるのが確実でしょう。
アスベスト分析に関するよくある質問
ここでは「アスベスト分析」に関するよくある質問に回答していきます。
アスベスト分析に必要な資格は?
アスベストの事前分析調査は資格が必要になります。
アスベスト分析に必要な資格は以下のとおりです。
- 一般建築物石綿含有建材調査者
- 一戸建て等石綿含有建材調査者
- 特定建築物石綿含有建材調査者
- 日本アスベスト調査診断協会登録者
アスベスト分析にかかる価格相場は?
アスベスト事前分析調査の一般的な調査方法にかかる価格相場は15万円程度です。
15万円の内訳は以下のようになっています。
図面調査 現地調査 |
3万円~10万円 |
---|---|
検体採取 分析調査 |
3万円~4万円/1検体あたり |
手数料 | 5千円~1万円 |
調査方法や調査の種類などによっても費用は大きく変わるため、事前に見積もりを出してもらうことをおすすめします。
定性分析と定量分析の違いは?
定性分析は、検体のアスベストの含有の有無を調査する方法です。
一方で定量分析は、検体に含まれているアスベストの含有率を調査する方法です。
一般的には、定性分析によってアスベストが含まれることが判定された検体が定量分析されます。
定性分析と定量分析は異なる方法で分析されるため、調査依頼は別におこなう必要があることを覚えておきましょう。
アスベスト分析・事前調査をしないとどうなる?
アスベスト分析・事前調査をしないと、罰則対象となります。
例外を除いたすべての工事でアスベスト事前調査・分析が必要です。
そのため、調査を怠ってしまうと、最長3カ月の懲役もしくは30万円以下の罰金となります。
また、一定規模以上の工事の場合、事前調査結果の報告も義務となっているので、注意しましょう。
アスベスト事前調査・分析が不要な工事は?
アスベスト事前調査・分析が不要な工事ケースは以下のとおりです。
- 石綿(アスベスト)が含まれていないことが明らかな建材の使用
- 材料に極めて軽微な損傷しか与えない作業
- 既存の材料を除去せず新たな材料を追加するのみの作業
- 平成18年9月1日以降に着工された一部の建物
- すでに事前調査に相当する調査がおこなわれている建物
場合によっては上記のケースでも事前調査が必要になることがあるので、注意しましょう。
アスベスト分析:まとめ
この記事では「アスベスト分析」について解説してきました。
「アスベスト分析」の重要なポイントは以下のとおりです。
- アスベストとは、発がん性物質を含む建築資材として使用されていた天然鉱物
- 石綿障害予防規則によって全面的に使用が禁止されている
- アスベスト分析によって、アスベストの含有有無や含有率を調査する
- アスベスト事前分析調査はほぼすべての工事において必須
- 一定規模以上の工事は事前調査結果の報告が義務付けられている
アスベストは、かつては建築資材として様々な用途で使用されていましたが、有害な物質を含むことが判明してから使用が禁止されました。
日本では2006年に全面禁止され、現在ではアスベストの事前分析調査・調査報告が義務化されています。
アスベストによる健康被害を生まないために、アスベストは事前調査や分析が大事なのです。
アスベストに関する正しい知識を身に付けて、二度と被害を生み出さない環境をつくっていきましょう。