「株主優待」とは|会社の利益を還元するメリットと具体的な導入方法

株式・投資

会社を運営するうえで投資家からの資金調達は欠かせない要素であり、事業で得た利益を配当として投資家に還元するなどの仕組み作りが重要です。また、投資家が魅力を感じる株主還元の方法でなければ、投資先として選ばれるのは難しいでしょう。

本記事では、投資家に選ばれるために必要な「株主還元」の基本的な内容を解説しつつ、企業の株主還元の具体例を解説します。株主還元を自社に導入できる「プレミアム優待俱楽部」の内容も紹介していますので、ぜひ自社の株主還元強化にお役立てください。

株主還元は得た利益を株主に返す取り組みのこと

株主還元とは、企業が事業によって得た利益を株主に還元することです。還元の方法には4つの種類ががあり、その尺度を示す指標としては配当性向や配当利回りがあります。

株主還元の種類

株主還元の方法として、主な手段は以下の4つです。

  • 配当(増配)
  • 株主優待
  • 株式分割
  • 自社株買い

配当の増配

「増配」とは、株主に毎年支払っている配当金を増額することです。株主が受け取る配当金が増えることになり、株主が長期保有を判断する材料になります。

また増配の発表は株価にも好影響を与えることが期待できます。
今後の更なる増配が期待されることで株式が買われ、株価も上昇することが一般的です。

すでに株主になっている人は増配による「配当増額」「株価上昇」という2つの利益を得ることができます。

ただし、無理に増配を繰り返しても株主の増加には寄与しません。投資家が投資する企業を見極める際に利用する指標に「配当性向」があります。配当性向は1株の配当額を1株あたりの利益で除して計算する指標です。

配当性向が高いと株主還元に積極的と判断できる一方、配当のかなりの部分をすでに還元に使っている状態です。利益が減少した場合に、将来的な減配リスクが心配されます。

株主優待

株主優待は、企業が商品券や自社サービスの割引券、自社商品の詰め合わせなどを無料でプレゼントする還元方法です。

欧米では配当の高さや増配年数が注目されやすいため株主優待制度はあまり見られませんが、日本では個人株主獲得の手段として積極的に取り組む企業も少なくありません。

投資家の中には「優待投資家」と呼ばれる人もいて、優待が優秀な銘柄は積極的に購入される場合があります。

一方で企業やファンド等の機関投資家にとっては企業の製品を大量に贈られても使い道がなく、魅力的とは判断されません。あくまで個人株主を呼び込みたい場合の施策として有効です。

個人株主を取り込みたい場合に、株主優待の充実は必須ともいえますが、自社での導入が難しいケースもあることでしょう。以下では、そんな企業におすすめのサービスを紹介していますので、気になる方はチェックしてみてください。

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株式分割

株式分割は、文字通り株式を分割して流通量を増やすことを指します。1株1万円の株価が半分になる代わりに株主が所有する株数が2倍になるといった具合です。

株式分割が株主還元につながる理由は、株式購入のハードルが下がることにあります。

日本株は100株単位での購入が基本ですから、株価が1万円の場合の最低購入金額は100万円です。1:2の株式分割によって株価が5,000円になれば、最低購入金額は50万円まで下がります。資金力に乏しい個人投資家でも株式を購入しやすくなり、新たな投資家を呼び込みやすくなることが期待できます。

新たな投資を呼び込むことで株価が上昇しやすくなり、すでに株主だった人の資産も分割による差益が得られることがあります。

自社株買い

自社株買いは、企業が自社の株式を市場で買い戻して市場での流通量を減らすことです。

自社株買いをした株式を消却することで発行済み株式数が減少します。利益が一定であるとすれば1株あたりの配当や利益が増えることで株主還元につながります。

また、株式を消却しない場合は「金庫株」として会社が保有し続けることも可能です。

金庫株によって他企業を買収するM&Aの際に自社の株式を被買収企業の株主に割り当てることが可能なほか、企業の従業員が決められた価格で自社の株式を購入する「ストックオプション」にも利用できます。

株主還元を行うことのメリット

積極的に株主還元を行うことによって、以下のようなメリットを得られます。

  1. 株価の割安さを投資家に伝えられる
  2. 株価が安定しやすい
  3. 自社のEPSが上昇する

株価の割安さを投資家に伝えられる

自社株買いを行うことのメリットとして、株価割安のアナウンス効果があります。自社の株価が割安と考えられる時に自社株買いを行うことで多くの投資家の目に留まり、株価の割安さを広める効果が期待できるでしょう。

株価が安定しやすい

配当や株主優待を目的にした長期投資家は、株価上昇を目的にした投資家と比較して長期で株式を保有する傾向にあります。

魅力的な優待や高配当を提供する企業は多少の業績悪化や市場環境の悪化でも株が売られにくいため、魅力的な高配当や優待を提供することは株価の安定に寄与します。

自社のEPSが上昇する

自社株買いで株価が上昇するのは、EPS上昇が見込まれることが大きな要因です。

EPS(Earnings Per Share)とは1株当たりどれほどの利益を稼いでいるかを知るための指標で、当期純利益から発行済株式数を除することで計算できます。

EPSが上昇するとPERが減少し、割安株として株主からの評価が上昇する傾向があります。

【EPSの計算式】
EPS=当期純利益÷発行済み株式数

【PERの計算式】
株価÷EPS

一方で、日本では「優待投資家」と呼ばれる人もいるほど、株主還元の一環として株主優待の内容を重視する個人投資家も少なくありません。

しかし、業種によっては自社の製品やサービスで株主優待を還元することが難しい企業もあることでしょう。そんな企業におすすめなサービスを以下で紹介していますので、気になる方はチェックしてみてください。

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会社の成長ステージにみる株主還元

企業の成長ステージによって株主が求める株主還元の方法が違うことを解説します。

成長企業と成熟企業による還元策の違い

上場企業である以上、株価上昇の期待がかかるのは当然です。ただし、成熟企業と新興の成長企業によって求められる配当還元施策は異なります。

若い成長企業に投資する投資家は配当や株主優待ではなく、株価上昇によるキャピタルゲインを求めています。会社の成長期は配当よりも事業への投資にリソースを割り当て、売り上げや利益を増やす方が株価上昇に繋がりやすく、新規株主の獲得も期待できます。

一方、事業内容が成熟すると成長企業のような圧倒的な株価上昇は見込めません。そこで株主をつなぎとめるために配当や株主優待を充実させることが求められます。

株主還元を推進するには、会社の成長ステージごとに見合った株主還元を考えることが重要です。

ROEと配当性向のバランスを見る「DOE」とは

投資家が企業の配当水準を見る一般的な指標として「配当性向」はすでに紹介しました。

ただし、投資家に選ばれようと配当性向の維持にばかり注力するのは得策とは言えません。配当性向を維持するために必要な投資を行わず、配当ばかりに回すことが正当化されてしまいます。

配当性向の維持ばかりに労力を割き、事業拡大のチャンスに投資を行わないことでかえって投資家の信頼を失う可能性があるのです。

配当性向のみに着目しない配当政策が求められます。

そこで注目したいのがDOE(Dividend On Equity ratio=株主資本(純資産)配当率)です。
株主資本に対して会社がどの程度配当を行っているかを示す指標として活用されます。

DOE=配当総額÷期末時点の資本の部の合計

また、DOEはROE(当期純利益÷株主資本)×配当性向(配当総額÷当期純利益)によっても算出できます。

配当性向の維持だけに目を向けると必要な投資を行えなくなる問題がありますが、DOEを意識することで利益率の指標であるROEと配当性向のバランスを見ながら配当内容を決めることができるでしょう。

DOEを活用した株主還元をする企業の例:オムロン

実際にDOEを株主還元に利用している企業として「オムロン」があります。

具体的な株主還元方針としては「価値創造に必要な投資を優先したうえで毎年の配当金を「DOE3%程度を基準とする」ことが示されています。さらに長期に渡って留保された余剰資金については能動的に自社株式の買い入れを行うことで還元する方針です。

企業の株主還元をサポートするプレミアム優待倶楽部

株主還元を推し進めて個人投資家を獲得したい企業が検討したいのが「株主優待」です。ただ、自社で優待導入が難しいケースもあるでしょう。そこで、株主還元を後押しするサービスとして「プレミアム優待俱楽部」を紹介します。

プレミアム優待倶楽部を利用して株数や保有期間に応じたポイントを付与することで株主還元になり、株価の長期安定や長期保有が期待できます。

株数・保有期間に応じたポイント還元が可能

株主は会員専用サイト「プレミアム優待倶楽部」に登録することで、保有株数や保有期間に応じて増加する優待ポイントや、企業とのコミュニケーションによって付与されるプレミアムポイントを取得できます。

保有株数の増加に合わせてポイント還元率も上昇するため、株主1人当たりの保有株数の増加や長期保有の促進に繋がります

株主管理・コミュニケーションの手段としても利用可能

プレミアム優待倶楽部は株主管理やコミュニケーションツールとしても利用可能です。

たとえば「議決権電子行使」。IR-naviより配信された議案内容が画面表示され、株主会員画面から各議案の賛否を選択して議決権を行使できます

IR-naviから配信される電子版のIRニュースや事業報告書、説明会の案内などを株主ポストに送信できるため、株主に直接コミュニケーションを取るツールとしても利用できます。

サービスをもっとくわしく見てみる

投資家に選ばれるには株主還元の取り組みが重要

投資家に選ばれるには「配当の実施・増配」「株主優待」「自社株買い」「株式分割」などの手段で既存株主に利益を還元する取り組みが重要です。株主優待なら個人投資家に訴求しやすく、配当目的の長期保有を促すことで株価の安定に寄与できます。

自社での優待導入が難しい場合、株主管理のDXサービスの利用がおすすめです。株式会社ウィルズのプレミアム優待クラブでは保有株数と期間に応じて増加する優待ポイントを付与することで、「保有株数の増加」「長期保有」をサポートします。

プレミアム優待倶楽部を活用して株主に利益を還元できる仕組みを作り、個人株主の獲得と株価の長期安定を目指しましょう。

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