投資家が重視する配当利回り|株主優待で投資家に選ばれる方法も解説

株式・投資

配当収入(インカムゲイン)を重視する投資家が主に参考にする指標に「配当利回り」があります。配当利回りを高めることで配当投資家に選ばれる可能性が高まりますが、そう簡単に配当を増やせるものではありません。

本記事では配当投資家が配当利回り以外に重視しているポイントと、配当以外に「株主優待」を活用して投資家に選ばれる方法を紹介します。

『プレミアム株主優待倶楽部』運営サービスはこちら

配当利回りとは

配当利回りは「株主が購入した時点の株価に対して、年間で受け取れる配当金の割合」を示した指標です。

一般的に業績が成熟した企業は高配当株が多く、株式市場が低迷しても株価が下がりにくいという特徴があります。配当金による安定したインカムゲインを受け取ることができるため、長期投資家に人気です。

日本企業は1年に1~2回の頻度で配当金が配られることが多いですが、なかには「あおぞら銀行(8304)」のように年4回の配当金を受け取れる銘柄もあります。

配当利回りの計算式

配当利回りの計算式は以下のとおりです。

【配当利回り計算式】
1株あたりの配当金÷購入時の株価×100

1株あたりの配当金が15円で購入時の株価が3,000円であれば、配当利回りは0.5%と計算できます。

配当金額に対して株価が安い水準であれば配当利回りは高くなり、逆に株価が変わらないまま配当が下がったり、配当がそのままで株価が上がったりした場合は配当利回りが
低くなります。

配当性向との違い

配当利回りと混同されやすい単語に「配当性向」があります。

配当性向は「企業の利益のうち、どれだけの金額を配当に回したのか」を示す数値で、計算式は以下のとおりです。

【配当性向計算式】
1株あたりの配当金÷1株あたり当期純利益

株主が受け取れる配当金の割合である配当利回りとは、意味が全く異なります。

配当金を受け取ることのメリット・デメリット

高配当を受け取る投資にはどんなメリット・デメリットがあるのか、個人投資家の狙いについて解説します。

メリット

配当金を重視した投資のメリットは以下の2つです。

預貯金以上の不労所得を狙える

不労所得を狙えることが、高配当投資のメリットです。銘柄を保有しているだけで配当金を得ることができ、株価上昇を狙う短期投資と比較して初心者でも利益を狙いやすいといえます。

銘柄によって利回りは異なりますが、基本的に銀行への預貯金よりも大きなリターンが狙えるのもメリットです。メガバンクの普通預金金利は年0.001%程度ですが、配当金ならより大きな金額を半年ごとに受け取れます。

株価変動がグロース株よりも安定している

高配当を長年維持しているような業績好調の成熟企業の場合、減配のリスクが少なく安定したインカムに期待ができます。

配当金重視の投資家は多少の業績悪化では銘柄を手離さない特徴があり、配当を出さずに株価上昇を狙う成長銘柄(グロース株)より値動きは安定した傾向にあります。

デメリット

安定したインカムを得られるメリットがある一方、以下のようなデメリットもあります。

配当を受け取るごとに税金がかかる

配当金を受け取る際、20.315%の所得税・住民税が差し引かれます。配当を再投資することで複利効果を狙うのは投資の基本ですが、受け取る度に税金分が目減りするため投資効率は悪化します。

減配・無配のリスクもある

インカムゲインを重視する投資家にとって配当利回りは重要な指標です。ただし、現状の配当利回りだけを見て投資すると「減配」「無配」に転落するリスクもあります。

配当利回りが高い=優良企業とは限りません。

単純に業績が悪化して株価が下落しても配当利回りは上昇します。儲けが出ていなくても配当を多く出せば、配当利回りは簡単に上昇させることが可能です。

一時的に配当利回りが高まっているだけの銘柄は今後も同額の配当を支払えるとは限りません。業績悪化によって配当額が減少(減配)、場合によっては全く配当が支払われない「無配」に転落する可能性もあります、

例えば日本航空(JAL)は2020年9月には1株あたり55円の配当が支払われていましたが、2021年3月からは無配の状態が続いています。新型コロナウイルス感染症の影響による需要低下を想定してキャッシュフロー管理を徹底することを優先した結果ですが、今後配当金が復活する可能性は未知数です。

『プレミアム株主優待倶楽部』運営サービスはこちら

投資家が配当利回りで投資先を選ぶ際の条件

高配当銘柄を中心に保有する個人投資家は決して少なくありません。ただ、配当利回りだけを見ているわけではなく、企業の総合的な業績を見て投資先を判断しています。

安定して配当が支払われていること

一時的に配当利回りが高いのではなく、毎年安定して高配当が出ていることは評価の対象です。

高配当の銘柄は長期投資志向の投資家が保有しているケースが多く、多少業績が下がったくらいでは手放しません。成熟企業が多いこともあって、株価が安定する傾向にあります。

ただ、減配・無配に転落すると配当狙いの投資家が売却して株価が大きく下がるリスクもあります。

高い水準の利回りを減らすことなく支払い続けていることを重視するのは、そのためです。

連続増配株であること

安定して配当が出ていることに加えて「増配株」であるとインカム重視の投資家に選ばれる傾向にあります。

毎年増配している銘柄を「増配株」と呼びます。企業の業績が好調で増配の余裕が常にあり、増配が可能なビジネスモデルを持っている優良企業です。
会社経営の先行きにも安定感があると考えられ、株主還元の意識が高いことで投資家からも選ばれやすくなっています。

長期間保有することで配当利回りが上昇していくのも、増配株の大きなメリットです。当初1株当たり配当が10円の銘柄を1株1,000円で購入した場合の配当利回りは1.0%ですが、増配を続けて1株あたり配当が30円まで増加すると配当利回りは3.0%まで上昇します。

配当性向が低いこと

先に紹介した配当性向は、利益のどれだけの部分を配当に回しているかを表す指標です。なかには高配当の代わりに配当性向が100%以上の企業もあり、こうした企業は利益だけでは配当を支払い切れていない状態です。

無理をして配当を維持している場合、業績悪化によっては減配・無配に転落するリスクがあります。

あくまで一般論として、配当性向は50%以下に収まる方が減配リスクは少ないとされています。

キャッシュリッチ企業である

配当志向の投資家は、自己資金が潤沢な企業(いわゆるキャッシュリッチ企業)を選ぶ傾向にあります。

キャッシュリッチ企業とは無借金経営または有利子負債以上の自己資金を保有していて、豊富な現金・預金が存在する企業のことです。

現金を豊富に持つ企業なら事業活動以外の資金で配当を継続的に行ってくれる可能性も高く、増配も充分に期待できます。

配当利回りランキング

ここまで高配当志向の投資家が銘柄を選ぶ際のポイントを紹介しました。とはいえ、配当性向や自己資本の状態が同等であれば、配当利回りが高い銘柄は投資家に注目される傾向があります。

2022年8月24日時点での配当利回り(予想)ランキングを紹介します。

商船三井(9104):13.42%
日本郵船(9101):13.39%
神戸製鋼(5406):8.05%
中京銀行(8530):7.72%
日本製鉄(5401):7.45%
極東証券(8706):7.13%
西松建設(1820):7.07%
有沢製製作所(5208):6.98%
野村ホールディングス(8604):6.93%
日東工業(6651):6.90%
日本コークス(3315):6.79%
JFE(5411):6.72%
三ツ星ベルト(5192):6.71%
淺沼組(1852):6.68%
大末建設(1814):6.67%
ユナイテッド海運(9107):6.60%
川崎汽船(9107):6.52%
岩井コスモ(8707):6.34%
JT(2914):6.32%
東海東京ホールディングス(8616):6.29%

配当金は今期の予想であり、必ずしも上記の通りのランキングになるとは限りません。ただ、「海運」「製鉄」「建設」「銀行の分野で、高利回りの企業が多い傾向があります。

配当利回り投資家に「株主優待」で訴求する方法もある

毎年の配当を増やしたり減配せずに高利回りを維持したりすることで、高配当志向の投資家に選ばれやすくなりますが、配当を投資家に還元することが難しい場合もあります。

配当での訴求が難しい場合、独自の優待を提供することで優待利回りの高さを訴求することも可能です。

ここでは配当投資家にとっての株主優待の重要度と、優待を独自に導入するための方法として株式会社ウィルズの「プレミアム優待倶楽部」を紹介します。

優待の存在は投資家の銘柄購入理由の上位に位置する

日本証券業協会が2022年1月に公表した「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」によると、有価証券に興味・関心を持ったきっかけで「株主優待があることを知ったと答えた人は全体の34.0%です。投資を始める動機として2番目に位置します。

有価証券の購入目的に関しても「株主優待を得るため」と答えた人は全体の32.7%に達しており、「老後生活のため」「配当金を得るため」「長期の資産形成のため」に続く動機になっているのが現状です。

一方で「短期的に儲けるため」という回答は10.4%に留まります。投機的に利益を狙う人よりも、配当または優待で長期的な利益を狙う人の方が主流派という結果になりました。

長期保有による優遇で保有期間の長期化を狙える

株主優待は自社製品の詰め合わせ以外にも「割引券」「商品券」「お米券」など、さまざまな種類があります。

長期保有を条件に株主優待の内容が優遇されている企業も少なく在りません。

たとえば「日本ハム(2282)」の優待は100株以上の保有で3,000円相当の自社グループ食品(3月のみ)、500株以上で5,000円相当です。ただし、500株以上を3年以上5年未満の保有継続で7,500円相当、5年以上で10,000円相当に利回りが上がります。

日本証券業協会によると、このような「長期保有継続条件で株主優待がある企業」は毎年右肩上がりの状況です。2012年には79社でしたが、2019年3月では455社まで増加しています。

ポイントによる優待導入を促進する「プレミアム優待倶楽部」とは

自社で株主優待の導入が難しい企業は、株式会社ウィルズの「プレミアム優待倶楽部」を導入する方法もあります。株主の「デジタル化」「ポイント機能」を持つ新しい優待サービスです。

株主は会員専用サイトであるプレミアム優待倶楽部に登録することで保有株数や保有期間に乗じて増加する「優待ポイント」と、企業とのコミュニケーション活動によって付与される「プレミアムポイント」を取得できます。

ポイントは自社商品への交換、他社ポイントへの合算、豪華賞品への交換などに利用可能です。

保有株数と保有期間によってポイント還元率が増加するメリットもあり、保有株数の増加と長期保有促進に活用できるでしょう。

『プレミアム株主優待倶楽部』運営サービスはこちら

株主優待で配当利回り重視の投資家に選ばれよう

本記事では配当利回りの基本的な考え方と配当投資家が配当利回り以外に重視しているポイントについて紹介しました。

配当重視の投資家は配当利回りだけでなく「配当性向」「自己資本」「連続増配」など多様な観点から銘柄を選んでいることがお分かり頂けたのではないでしょうか。

配当以外にインカムゲインを訴求する方法に「株主優待」もあります。株式会社ウィルズのプレミアム優待倶楽部なら保有株数と年数に応じて還元率が増える仕組みによって保有株数の拡大や長期保有の促進が可能です。

『プレミアム株主優待倶楽部』運営サービスはこちら

タイトルとURLをコピーしました