個人再生とは?したらバレるのかデメリットや費用、手続きの条件、流れなどを徹底解説

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個人再生って何?
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個人再生のメリット・デメリットについて知りたい

借金などの債務に追われて返済できなくなった場合、個人再生は借金解決の合法的な手段です。

しかし、実際にどういったデメリットがあるのか、個人再生をしたら周囲の人にバレてしまうのか不安ですよね。

今回は、個人再生のメリットやデメリットについて徹底解説します。

個人再生する手続きの条件や、流れなどについても詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてください。

個人再生についてざっくりまとめると

  • 個人再生は裁判所を介して債務の減額を申請する手続き
  • 債務総額が原則5分の1まで減額される
  • 減額した借金を3~5年の分割払いにできる
  • 住宅ローンが残った自宅を残して債務整理できる

目次

個人再生とは?

個人再生とは?個人再生手続の概要と流れ

個人再生には4つの特徴があります。

個人再生の特徴

  • 裁判所を通じて債務を減額
  • 「小規模個人再生」「給与所得者等再生」の2種類がある
  • 住宅や車を手放さずに手続きする
  • 家族への影響がない

個人再生とは、裁判所に申し立てをして承認されれば、原則として債務が5分の1に減額される手続きです。

個人再生の債務の限度額は5,000万円までで、毎月の収入が見込まれる人が対象。

また、個人再生は「小規模個人再生」「給与所得者等再生」の2種類がありますが、利用の要件や減額の割合が異なります。

自己破産と違って、一定の条件を満たすことで住宅や車を手放さずに債務を大幅に減額できる点も特徴の1つです。

自己破産のように債務の全額が免責になるわけではありませんが、任意整理と比べて債務を減らす効果が高くなります。

さらに、保証人でない限り家族に影響がない点も特徴です。

金融事故として登録されるのは本人だけなので、家族に悪影響は及ぼしません。

個人再生のメリット

個人再生とは?個人再生手続の概要と流れ

個人再生には、3つのメリットがあります。

個人再生のメリット

  • 債務が最大10分の1に減額される
  • 減額した借金を3~5年の分割払いにできる
  • 住宅や車などの財産を手放す必要がない
  • 督促や強制執行が無くなる

債務が5分の1に減額される

個人再生をすると原則5分の1、最大10分の1に減額されます。

減額の基準は以下の3つから比較した中で、最も高い金額です。

①負債額から算出 負債額が100万円未満 負債額全額
負債額が100万円以上500万円未満 100万円
負債額が500万円以上1500万円未満 負債額の5分の1
負債額が1,500万円以上3,000万円未満 300万円
負債額が3,000万円以上5,000万円未満 負債額の10分の1
②財産から算出 不動産や自動車などの「財産」の価値の総額
③収入から算出 収入から税金・保険料・生活費を差し引いた金額の2年分

※スマホの方はスクロールできます。

参照:裁判所HP「個人再生手続きについて」

「小規模個人再生」の場合は、①と②を比較し高い方を採用。

「給与所得等再生」の場合は、①②③の中から一番高い金額を算定して再生計画案を作成します。

減額した借金を3~5年の分割払いにできる

個人再生で減額された債務は、一括ではなく3~5年の分割払いにしてもらえます。

分割払いの期間は原則3年ですが、3年での支払いが厳しい場合は最長5年まで期間の延長が可能です※。

例えば、子供の進学などで大きな支出が見込まれる場合など特別な事情があるなら、期間を延長する対応をしてくれるでしょう。

3年間の支払いであれば月1回の支払いで、合計36回払いです。

5年間の支払いであれば月1回の支払いで、合計60回払いになります。

このように、減額された債務を分割して支払えるので、無理のない範囲で借金を解決できるでしょう。

※参照:民事再生法

住宅や車などの財産を手放す必要がない

個人再生は、自己破産と違って、住宅や車などの財産を手放す必要のない点がメリットです。

自己破産の場合は、債務の全額が免責されますが、基本的には住居や車の財産のほとんどを処分し、残るのは生活に最低限必要な現金や必需品のみになります。

また、個人再生のもう1つの大きなメリットは、住宅ローンが残る自宅を維持できる「住宅資金特別条項」という制度があることです。

住宅ローンは通常通り支払い、その他の借金のみ個人再生を申請することで自宅を残せます。

督促や強制執行が無くなる

個人再生の手続きを進めることで、債権者からの督促や強制執行が無くなる点がメリットです。

借金の支払いの滞納が続くと、債権者からの督促がきたり、債権者によって預金口座や給料などの差し押さえが強制執行されたりします。

弁護士や司法書士に個人再生を依頼すると、まず債権者に受任通知を送り、この通知を受け取った時点で、督促ができなくなるのです。

また、個人再生の手続きが開始されると、債権者からの強制執行もできなくなります。

個人再生手続き開始前に強制執行されている場合も、停止可能です。

個人再生のデメリット

個人再生とは?個人再生手続の概要と流れ

個人再生には、3つのデメリットがあります。

個人再生のデメリット

  • 金融事故として登録される
  • 継続した収入がないと手続きできない
  • 国が発行する新聞に載る

金融事故として登録される

個人再生を行った場合、信用情報会社に金融事故として登録されます。

いわゆるブラックリストです。

ブラックリストになると、基本的に新たな借り入れやクレジットカードの発行ができなくなります。

しかし、ブラックリストに載るのは完済から5年~10年なので、期間が過ぎれば借入やクレジットカードの発行が可能です。

ブラックリストに載ることに抵抗を感じる方がいると思いますが、借金の返済ができずに滞納が続けば、いずれ同じような結果となっています。

財産や給与などの差し押さえといった強制執行が進む前に、早めに手を打ちましょう。

継続した収入がないと手続きできない

個人再生の手続きは、「継続した収入がある場合のみ利用できる」と法律で定められています。※

収入が証明できない、失業中である場合などは利用できません。

ゆえに、サラリーマンのみ対象かと思われがちですが、個人事業主やパート・アルバイトでも個人再生できます。

個人事業主やパート・アルバイトが個人再生する場合重視するポイント

  • 収入の安定性
  • パート・アルバイトの場合は雇用の継続性

以上について証明できれば、個人再生の手続きを進められるでしょう。

※参照:裁判所HP「個人再生手続きについて」

国が発行する新聞に載る

個人再生の手続きをすると、国が発行する新聞「官報」に住所氏名が掲載されます。

官報とは
政府や省庁などが発表する法令や大臣の人事などを記載した文書。また、高速道路の料金の変更、国家資格の登録者などが告知される。

個人再生をすると、官報に載ることは避けられません。

しかし、官報に載ったとしても、その事実が他人に知られることはほぼないと考えてよいでしょう。

なぜなら、一般人が官報を見る機会は普通なく、仕事などの関係で日々チェックしていないと確認できないからです。

官報にはインターネット版がありますが、インターネット検索には有料版に加入しなければなりません。

以上のことから、官報に載ったとしても知人や会社に知られるリスクは低いと言えます。

個人再生するための条件

個人再生とは?個人再生手続の概要と流れ

個人再生をする場合は、以下3つの条件を満たす必要があります。

個人再生をするための条件

  • 安定した収入がある
  • 借金の総額が5,000万円以下
  • 継続的収入とその変動幅が小さい(給与所得者等再生手続きの場合)

安定した収入があること

個人再生の手続きをする場合は、安定した収入を得ていることが前提です。

個人再生手続きによって、債務は大幅に減額されますが、その後3~5年にわたって必ず返済しなければなりません。

よって、返済を続けるのに毎月安定した収入が必要であり、正社員の方なら条件はクリアされます。

ただし、パートやアルバイトの方は、継続的な雇用を証明できなければ難しく、一時的な雇用の場合は条件に値しないと判断されるでしょう。

年金受給者の方も、終身年金であれば「継続的な収入」と認められる可能性があります。

借金の総額が5,000万円以下

個人再生手続をする場合には、借金の総額が5,000万円以下である必要があります。

この総額には、住宅を残す手続き(住宅資金特別条項)をする場合は総額に含まれません。

逆に、住宅を手放す選択をする場合は債務の総額に含めることになるので、借金の総額が5,000万円以上になれば個人再生手続きはできないので注意しましょう。

継続的収入とその変動幅が小さい(給与所得者等再生手続きの場合)

給与所得者等再生手続きをする場合は、継続的収入に加えて収入の変動幅が小さいことが要件になります。

変動幅が小さい要件
年収で換算して5分の1を超えない程度

例えば、転職により年収の5分の1を超えて減少した場合、給与所得者等再生手続きが認められません。

なぜ、給与所得者等再生手続きが厳しい条件になっているかというと、給与所得者等再生手続きの場合は債権者の同意を得る必要がないからです。

個人再生の流れ

個人再生とは?個人再生手続の概要と流れ

個人再生は、11のStepで手続きを進めます。

個人再生の流れ

  • Step1.弁護士や司法書士に依頼
  • Step2.受任通知を送付
  • Step3.収支・財産の調査
  • Step4.個人再生申立書の作成→申し立て
  • Step5.債務履行テスト
  • Step6.個人再生手続きの開始
  • Step7.債権の確認
  • Step8.再生計画案作成→提出
  • Step9.再生計画案の決議
  • Step10.再生計画の認可
  • Step11.返済開始

Step1.弁護士や司法書士に依頼

個人再生手続きは、個人で行うことは手続きが煩雑なため難しく、弁護士や司法書士へ依頼するのが一般的です。

相談料が無料の弁護士や司法書士事務所に依頼するとよいでしょう。

依頼を決定すると、弁護士や司法書士と「個人再生委任契約」を結ぶこととなります。

編集部
着手金が必要になる事務所もあるので、事前に確認しましょう。

Step2.受任通知を送付

契約を締結した弁護士や司法書士は、まず受任通知を債権者に送付します。

受任通知とは、「債務者の代理人として債務整理手続きを行うことを債権者に知らせる書類」のことです。

受任通知を受け取った各債権者は、債務者に督促を行えなくなります。

よって、取り立てのストレスから解放されるでしょう。

受任通知と一緒に、取引履歴や債権額など借金の詳細を届けてもらうよう債権者に連絡します。

債務の内容次第では、過払い金を請求できることもありますし、個人再生以外の債務整理になる可能性もあるでしょう。

Step3.収支・財産の調査

次は、収入や支出、財産の調査です。

収入や収支を調査することで、個人再生で減額した借金を安定して返済できるかどうか確認します。

また、財産を調査する理由は、財産がどの程度あるかによって借金の減額できる額が変わるからです。

住宅を残して債務を整理する「住宅資金特別条項」を利用する場合は、住宅ローンを利用している銀行にも連絡を入れます。

Step4.個人再生申立書の作成→申し立て

個人再生申立書を作成して、裁判所に申し立てをします。

個人再生申立書の作成には多くの資料が必要なので、専門家の指示に従って速やかに準備しましょう。

個人再生申立書の作成に必要な資料

  • 申立書
  • 債権者一覧表
  • 財産目録
  • 家計収支表
  • 個人再生添付書類一覧表(直近2ヵ月分)
  • 個人再生手続きチェックリスト

上記の資料以外に、自営業や給与所得者等再生の場合に必要な書類があります。

作成した書類を、管轄する地方裁判所に提出しましょう。

Step5.債務履行テスト

次に、債務履行テストが行われます。

債務履行テストとは、申込者が実際に返済できる能力があるのか確認するために行うものです。

指定された銀行口座に半年間、一定額を積み立てます。

支払ったお金は、最終的に個人再生委員の報酬に充てられ、余った分は返還されるので債務の支払いに使いましょう。

Step6.個人再生手続きの開始

意見書をもとに審査が行われ、妥当と判断されると個人再生手続きが開始されます。

意見書とは、個人再生委員が個人再生の手続きを開始すべきか判断する書類のことです。

個人再生委員は裁判所から選任されますが、個人再生委員が選任されるかどうかは地方裁判所の判断によります。

意見書をもとにして個人再生申立書の審査に通ると、個人再生手続きが始まるのです。

Step7.債権の確認

個人再生手続きが開始されると、裁判所は改めて債権の確認を行います。

裁判所から債権届出書が自宅に送られてくるので、約6週間以内に裁判所に債権届出書を提出してください。

また、裁判所は個人再生申立書をベースに、債権者にも聴取して借金額があっているか確認します。

要するに、債務者と債権者双方で債務額の相違がないか確認し、借金の額を確定させるのです。

Step8.再生計画案作成→提出

裁判所が確定した借金額をもとに、再生計画案を作成します。

借金の減額はどの程度で、何年にわたって返済するかなどを書類に記しましょう。

減額の基準は以下の3つから比較した中で、最も高い金額です。

減額の基準は以下を目安にして算定し、再生計画案を裁判所に提出します。

①負債額から算出 負債額が100万円未満 負債額全額
負債額が100万円以上500万円未満 100万円
負債額が500万円以上1500万円未満 負債額の5分の1
負債額が1,500万円以上3,000万円未満 300万円
負債額が3,000万円以上5,000万円未満 負債額の10分の1
②財産から算出 不動産や自動車などの「財産」の価値の総額
③収入から算出 収入から税金・保険料・生活費を差し引いた金額の2年分

※スマホの方はスクロールできます。

参照:裁判所HP「個人再生手続きについて」

Step9.再生計画案の決議

再生計画案の審査が通ったら、決議が行われます。

再生計画案の決議は、債権者からの同意をもらうことです。

決議が得られるポイント

  • 債権者の半分以上の同意があるか
  • 同意を得た債権者の債務の総額が全体の半分以上か

ただし、債権者からの同意が必要なのは小規模個人再生の場合のみで、給与所得者等再生の場合は意見を聞くだけになります。

Step10.再生計画の認可

再生計画案の決議が行われると、裁判所から再生計画認可・不認可の決定書が弁護士や司法書士に送付されます。

官報に認可決定の情報が載り、その後2週間後に確定されて個人再生の手続きは完了です。

Step11.返済開始

個人再生手続きが無事完了して約1ヵ月後、再生計画に従って返済が始まります。

返済先が複数あって面倒な場合は、返済代行を行っている弁護士や司法書士に頼むと便利です。

また、銀行で自動振り込みの設定をしてもよいでしょう。

編集部
支払い忘れや滞納が続くと、減額が取り消される可能性があるので気を付けてくださいね。

個人再生に関してよくある質問

個人再生とは?個人再生手続の概要と流れ

ここからは、個人再生に関してよくある質問にお答えします。

個人再生に関してよくある質問

  • 個人再生をしたらバレる?
  • 個人再生ができる費用は?
  • 個人再生と任意整理の違いは?
  • 個人再生と自己破産の違いは?

個人再生をしたらバレる?

個人再生をしても、即座に家族や会社に通知されることはありません。

ただし、同居家族に収入を申告する必要があるので、資料の用意で家族に個人再生の事実を伝えなければならないケースがあります。

また、個人再生をすると官報に名前や住所が掲載されますが、日常生活で目にする機会はほぼないので、知人に知られる可能性は低いでしょう。

個人再生ができる費用は?

個人再生の費用相場は50万円~60万円です。

弁護士・司法書士費用 相談料 約1時間1万円(無料の場合もある)
着手金 約30万円
報酬金 20~30万円
裁判所費用※ 2~3万円程度

※個人再生委員が選任される場合は、15~25万円ほど報酬として支払います。

個人再生と任意整理の違いは?

個人再生と任意整理の違いを比較すると、次の表のとおりになります。

個人再生 任意整理
・借金の利息だけでなく元本も減らせる
・借金総額の5分の1まで減額できる
・裁判所を介す
・手続き期間は3~6か月程度
・官報に掲載される
・主に借金の利息をカットして債務総額を減らす
・裁判所を介さないため債務整理の費用が低くて期間は短い
・手続き期間は6~12ヵ月程度

個人再生と自己破産の違いは?

個人再生と自己破産の違いを比較すると、次の表のとおりになります。

個人再生 自己破産
・債務額は5,000万円まで
・返済が必要
・財産の処分はしなくて済む
・住宅ローンの残った自宅を残せる
・安定した収入が必要
・官報に掲載される
・債務額に上限がない
・返済は不要
・ほとんどの財産の処分が必要
・住宅ローンの残った自宅は残せない
・収入は問わない

個人再生のまとめ

個人再生とは?個人再生手続の概要と流れ

これまで、個人再生について解説してきました。

個人再生は、任意整理と比べて費用や期間がかかりますが、債務総額を5分の1まで減額できるので、借金総額を大幅に減らせます。

また、自己破産と違って住宅ローンの残った自宅を残して債務整理できる点もメリット。

このように、個人再生は家族や周囲の方に影響与えずに借金を解決できる、有効な手段です。

借金の返済に困っている方は、一人で悩まずに弁護士や司法書士事務所に相談してみましょう。

 

 

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